歌うこと、のお手伝い(自宅レッスン)
2016年 10月 27日
昨日はヴォイストレーニングに来てくださっている方の
レッスンをしていました。
私のヴォーカルレッスンは、声楽のようなものではありませんので、
ハープに限らずいろいろな楽器の弾き語りをすることを目的とした上で、
歌うこと、伝えることを教えさせていただいています。
歌で難しいのは、イメージどおりの声を
必要な箇所で出せるか、ということです。
そして、一番難しいのは、
イントロが終わった後の最初の歌い出しです。
一番大切な部分でもあります。
めいっぱいイメージした声の色を
静まった空気の中に染めていくこと、
これはプロの方でも勇気がいることだと思います。
アグネス・チャンの『ひなげしの花』をご存知ですか?
「♬おっかの上、ひぃなげしの花で〜」
ですね。
あるインタビューでアグネスさんは、
「今でも一番苦手な曲」と言っていました。
わかります、わかります。
曲の一番最初に、その曲の最高音が出て来てしまうからなのです。
ある程度歌ってから最高音が出てくるのは
構わないと思うのですが、
イントロが終わってすぐですから、
とてもリスクが高い曲だったのですね!
そんな曲がデュー曲だった17歳のアグネスさんは、
立派だったんだなぁと思います。
昨日は生徒さんのご希望で、『アメージンググレース』を
課題曲としました。
これも『ひなげしの花』と同じような難しさがあります。
最初の2小節、「♬アメージング・グレース」で
曲全体が語られます。
とにかく一番大切なこと、最も言いたいことが
始まってすぐにあるのです。
私は以前ヴォイストレーナーの先生に見ていただいた時、
この2小節のフレーズだけを
その日のレッスン全部に費やしたことがありました。
何度やっても先生は「違う」とおっしゃる。
今思うと、何の説得力もなかったのだと思います。
それだけでなく、優しさとか寛容さ、慈愛など、
この一言でいろんな要素を持っている、
なんとも偉大な曲だと改めて思います。
今、立場が変わってレッスンさせていただくことで、
それを客観的に感じられて、
私にとっても勉強になりました。
歌うことは、いろいろ考えて声を出さなければならないので、
確かに簡単ではないのですが、
だからこそ同じ曲をいろんな方が歌っても、
それぞれに違う良さがあります。
その方だけの『アメージンググレース』を
作っていってくれたらと思います。
そんなお手伝いを
楽しくやらせていただいています。
by harp-by-kiki
| 2016-10-27 07:49
| レッスン
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